#相対性理論 の時間の伸び縮みの仕組み

特殊相対性理論

  • 光の速度は一定
  • 時間の流れ方は環境によって変わる
  • ブラックホールの近くは時間の流れが遅くなる

みたいな話を聞いたことがある人も多いでしょう。

そういった時間の伸び縮みについて、できるだけシンプルな説明を書いてみます。

 

まず光の速度が一定、っていう話ですが、これは

「移動速度」+「時間の流れの速さ」=常に「光の速さ」

だと思ってください。

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ではまず「速度20」で動いているところを考えてみましょう。

(単純化するために、単位は考えなくて良いです)

光速を100として、移動速度が20だと

時間の流れる速さは100ー20=80です。

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そしてより早く動くと、「移動速度」が増えます。40にしてみます。

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しかし合計である光速の100は変えられないので、「時間の流れの速さ」が減ることになります。つまり「時間の流れが遅くなる」ということになります。

もっと早く動くとこうなります。

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早く動けば動くほど、どんどん時間の流れ方が遅くなります。

これが「早く動くと時間の流れが遅くなる」です。

 

一般相対性理論

次に、重力を加味した理論である一般相対性理論の「重力が強いと時間の流れが変わる」っていう話です。

これも実は上と全く同じ話です。

「重力が強い」は「移動速度が早い」と全く同じなんです。より正確に言うなら「速さ」ではなく「加速度」になるんですが。

「重力が強い」っていう状態は「すごいスピードでどんどん早くなってく」ことです。

 

現在、我々はなんとなく地球の重力で下に引っ張られていると思っていますが、実は超巨大なエレベータが上昇していることにより地面に足をつけていたとしても気づかないんです。

これがアインシュタインがいうところの「等価原理」というやつで、それにより加速度と重力はまったく同じ作用をもたらします。

 

なので、重力が比較的弱いところだとこうで

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そして、重力が強いとこうです。

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これが「重力が強いところだと時間の流れが遅くなる」です。

インターステラーで、ブラックホールであるガルガンチュアの近くでの1時間が地球での7年間に相当するというシーンがありましたが、あれはこういうことなんですね。

www.youtube.com

「動く速さ=重力の強さ」と「時間の進む速さ」はゼロサムのパラメータであり、どっちがが増えるともう片方は減る運命にあるんです。 

ブラックホールの内部

さてここで厄介なのがブラックホールの地平面の内側です。

ブラックホールに近づいていくと重力がどんどん強くなり、ある地点で光速よりも重力が強くなるポイントがあります。脱出速度が光速を超える、いわゆる「事象の地平面」とか「PNR / PONR」とも呼ばれます。

ともかく、ある点よりも近づくと、宇宙最速の光ですら逃れることはできません。

これを同様の図で示すとこうなります。

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えっ?どういうこと?

って思いますよね。

重力が限界突破してよくわからんことになってます。

時間の流れどこに行っちゃったの?って。

そうなんです。これがどういうことなのかよくわからないのがブラックホールの謎そして魅力の一つでもあるんですね。

空間と時間が逆転する、とか言われていますが、よくわかりません。

 

ともかく、光速を固定軸にすえて、それを移動速度と時間の流れに分割するイメージがあると、相対性理論も比較的理解がしやすいんじゃないかと思います。