#男性専用車両 を導入した結果

www.huffingtonpost.jp

痴漢撲滅のポスターが「推定無罪の原則」を完全に無視していると話題です。

推定無罪の原則」とは

逮捕の時点では、犯人ではなくあくまでも「容疑者」であって、裁判で犯人(有罪)と決まるまでは無罪の人として扱わなくてはならない

というものです。「被告」や「容疑者」はまだ「有罪」ではないんです。実際にはほとんどの人が「容疑者=悪いことをした人」っていうイメージを既に持ってしまっていますが、今回はそれを愛知県警の鉄道警察隊というところが無邪気にやらかしてしまったため、各所から総ツッコミを受けている状態です。

痴漢のリスクにフォーカスすることで各々の理性に働きかけて痴漢の抑止を狙いとしたポスターで、やろうとしていること自体は全然問題ないんですが、ちょっと詰めが甘かった感じです。

 

それはともかく、本当に痴漢は卑劣な行為です。痴漢被害者の多くは泣き寝入りをしていると見られ、世間で思われているよりもかなり多くの女性が痴漢の被害にあっているようです。それと同時に、痴漢の冤罪も話題に上ることが多くなりました。

痴漢冤罪の話題になるとよく聞くのが「男性専用車両の導入を!」という声です。ただこれに関してはかなり否定的な意見を持っています。

なぜかというと「男性専用車両以外の車両が実質的に女性専用車両になる危険性がある」からです。

「隣には男性専用車両があるのに、なんであの人はこの車両に乗っているんだろう?もしかして痴漢?」論法です。

 

いまは「女性専用車両」と「それ以外」しかないので、男性は「それ以外」の車両に乗らざるをえないんですが、男性専用車両を導入すると「男性専用車両」があるにもかかわらずあえて「それ以外」つまり女性が乗っている車両に乗っているという状況になります。これは怪しい。

 

未だに「優先席の近くでは電源をお切りください」と言ってるのを見てもわかりますが、「女性専用車両」と「男性専用車両」ができた場合に「それ以外」の車両が何になるのかを相当慎重にイメージ形成しておかないと、そういった理不尽な状況になりかねません。そして、一度そういった状況になってしまうと、それを覆すのは困難です。

 

痴漢冤罪回避の視点から、男性専用車両導入の声は男性からもあがっていますが、男性専用車両は自分の首を絞める危険性があることを認識しておいたほうが良いと思います。

f:id:smartnewstorage:20180615001315j:plain